『きょうの健康』(NHK)12月20日 認知症「本人の声を聴こう」

『きょうの健康』(NHK)12月20日 認知症「本人の声を聴こう」 NHK
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この記事は、12/24日にNHKで放送された健康番組『きょうの健康』の『リアルに知る!認知症「本人の声を聴こう」』をまとめたものです。

番組を見逃した人や、認知症のことをもっと知りたいという人の参考になれば幸いです。

『きょうの健康』(NHK)12月24日『リアルに知る!認知症「本人の声を聴こう」』

出演者

キャスター:黒沢保裕,岩田まこ都

講師:東京慈恵会医科大学 教授 繁田 雅弘

『リアルに知る!認知症「本人の声を聴こう」』の概要

認知症になった本人の声を紹介する。

診断されたときは「もう終わりだ」「死んでしまいたい」というショック。

もの忘れなどの症状が積み重なっていく不安に「崖っぷちで必死にしがみついているようだ」。

周囲の人から過小評価または過大評価をされる戸惑いも。

それでも「病気と向き合って生きていくしかない」と前向きな気持ちにたどりつく。

こうした声に耳を傾けることで、認知症のリアルな姿や本当に必要な支援は何かを探る。

 

番組の概要は以上ですが、今回は認知症である本人の声をしっかり聴いてみようという内容です。

なぜ、認知症本人の声を聞くことが大切なのか

講師:
認知症にはまだ悪いイメージがあって、偏見も多少なりともあります。
そこから、一歩踏み込んでご本人の望んでいる本当の支援をするためには、ご本人の声を聴く必要があると思いました。
今までは、察したり、想像したりしていただけなんですけれども、ちゃんとご本人の声を聴くことで、何を望んでいらっしゃるのか、どんな思いがあるのかということを知ることができ、その上で支援をすることが大切なのではないかと思いました。

本人の声を聴こう『初期の気づき』

名前を忘れたり、何かおかしなことをしでかして、人にいやな思いをさせるのが怖くて、人と会うのが少しおっくうになっていたかもしれない。
これは、認知症の診断を受ける前の段階で、自分で「もしかして認知症では?」と気づいた時の声です。
気持ちが後ろ向きになっていることがよくわかります。

本人の声を聴こう『診断のショック』

  • もう終わりだと思った...
    夜も眠れなかった...
  • 絶望的な気持ちになってしまった。
  • この先、人に迷惑ばかりかけるようだったら、早く死んでしまいたいと思った。
講師:
家族に迷惑をかけることが申し訳なく、もしそうなるんだったら生きていたくない。
そんな強い思いがあるように思います。
はじめは、どんなにしっかりした人でも、本当につらい思いを経験しているようです。

認知症と診断された人は周りに迷惑をかけてしまうという認識から、「申し訳ない」という気持ちになるということですね。

しっかりした人でも、最初はつらい思いをしているとのこと。

本人の声を聴こう『偏見』

  • 診断の翌日から私は「認知症の人」というレッテルを貼られてしまった。
  • 近所の人には知られたくない。白い目で見られるから。
  • 遠くの病院に連れて行かれ、戻って来られないと思った。
講師:
認知症に対する偏見をさけることは簡単ではありません。
ただ、認知症ということではなく、本来のその人に目を向けることが大切です。
最後の声などは、家族から遠く離れたところに行って、そのまま戻ってこれないんじゃないかという恐怖心があらわれています。

本人の声を聴こう『認知症の症状』

  • かぎの置き場所を忘れた
  • 頼まれた用事を忘れた
  • 銀行の暗証番号を忘れた
  • 駅の出口を間違えた

認知症の症状として最もあらわれやすいのが、上の声にあるように『物忘れ』です。

本人の声を聴こう『認知症の物忘れ以外の症状』

  • 目についたもので料理するから、全体を考えていない。
  • 正月の飾り物が飾れなくなった。
  • 箸を反対に並べられると戸惑う。

ここの声にあるように、物忘れ以外の症状として多いのが、『普段できていたことができなくなっている』ということです。

料理なども一つの材料のことしか頭にないために、他の料理が思いつかないなどということもあるようです。

本人の声を聴こう『認知症であるとは』

  • ぱっくり開いた暗い穴に飲み込まれないように崖っぷちで必死にしがみついているような感覚だ。
  • 霧の中で暮らしているような感覚になる。
  • 何もかもが複雑で必死で努力しても極度に疲労してしまう。
講師:
認知症による不安とか、恐怖とか、あせりが伝わってきます。
そして、これから症状がもっと悪くなるんじゃないかという、そういう不安もあらわれています。

本人の声を聴こう『周囲の人と接して』

  • 日常生活や会話がきちんとできると「なんでも普通にできるのだ」と思われる。
  • ぱったり出会った知り合いが「僕のことわかる?」とまじまじと顔を見る。
    「ええっ!こんなに元気なの?」と驚く。
講師:
「なんでも普通にできるのだ」というのは、過大評価されているということです。
本人は苦労して頑張っているのに、周りは「普通にできるんだ」と思ってしまいます。
一方「僕のことわかる?」というのは過小評価で、お前のこと忘れるわけないじゃないかと本人は悔しい思いをしているわけです。

本人の声を聴こう『家族の声』

  • 夫が発病するまでは、私がすごく主人を頼っていたけれども、いまは逆転した。
    主人が私を頼りにしている。それは本当にさみしい。
  • 認知症の母にやさしく接したいが、ついあれこれ言ったり腹を立てたり。
    自分は冷たい人間なんじゃないか。

本人の声を聴こう『認知症と向き合う』

  • アルツハイマーになったことは悔やんでも仕方ないこと。
    病気と向き合って生きていくしかない。
    自分がいまできることをしながら楽しく生活していきたい。
  • 「どうして自分がアルツハイマーになったのか」そればかりだった。
    でも、私の生き方が悪かったからではない。
    私は私だとようやくわかった。
苦しんだ末にようやくたどり着いた、前向きな気持が伝わってきます。

講師から認知症の方へのメッセージ

講師:
認知症の方は、生活の中で失敗をすることで、不安になったり、混乱をしたり、自分を責めたりします。
ただ、ご本人は『自分のことは自分でやりたい、家族に迷惑をかけないでしっかりしていたい』という強い気持ちがあるからこそ、不安になったり心配をしたりするんだろうと思います。
だとしたら、この気持は当たり前の気持ち、自然な気持ちと受け止めて、前向きに歩いていってもらったらと思います。

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