『きょうの健康』(NHK)12月20日「窒息の予防と応急処置」

『きょうの健康』(NHK)12月20日「窒息の予防と応急処置」 NHK
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この記事は、12/20日にNHKで放送された健康番組『きょうの健康』の「餅だけじゃない!窒息の予防と応急処置」をまとめたものです。

番組を見逃した人や、餅などの食べ物を喉に詰まらせないようにする予防と応急措置に関心がある人の参考になれば幸いです。

『きょうの健康』(NHK)12月20日「餅だけじゃない!窒息の予防と応急処置」

出演者

キャスター:黒沢保裕,岩田まこ都

講師:日本医科大学 助教 五十嵐 豊

番組の概要

窒息が原因で亡くなる人は、年間9000人に上り、不慮の事故による死因では第1位。

12月と1月に多いが、餅だけでなく、米飯、パン、肉なども原因となる。

呼吸が停止すると約15分でほぼ100%死に至るため、救急車が来るまでの間に、周囲の人が素早く対処することが重要だ。

のどの異物を出すには、背中の肩甲骨の中央を手で強く叩く方法などが有効。

予防のポイントから応急処置の方法まで、実演を交えて詳しく解説する。

窒息と交通事故による死亡者数

窒息で死亡する人の数は、実は交通事故の死亡者数を上回っている。

交通事故は1992年頃からどんどん下がって、2017年は3,694人。

これに対して、窒息の死亡者数は1995年から徐々に増え続け、2006年から交通事故の死亡者数を上回るようになった。

2017年には9,000人を超えています。

交通事故より窒息で亡くなる方の数が多いというのは、ちょっとびっくりです。

内訳は、やはり高齢の方が多いようで、餅をはじめとした食べ物を喉に詰まらせることが原因のようです。

窒息で亡くなる方が減らないというのは、予防と応急処置が正しくできていないということのあらわれだと思います。

窒息事故の原因は餅だけではない

のどに詰まりやすい食べ物は餅だけじゃない。

のどに詰まりやすい食べ物 ご飯、おにぎり、パン、果物、野菜、肉、団子など

番組で紹介している、「のどに詰まりやすい食べ物」を一部抜粋しました。

結局、粘り気のあるもの、固いものなどが詰まりやすい食べ物になるようです。

餅だけじゃない窒息の予防と応急処置

窒息の死亡者は65歳以上の高齢の方が80%~90%を占める。

では、なぜ高齢の方が窒息する割合が高いのかというと、その原因がこちら。

 

高齢者が窒息する主な原因

  1. のみ込む力が低下
  2. せき反射が低下
  3. 唾液が十分出ない
  4. 葉が悪くよくかめない
講師:
せき反射というのは、気管に食べ物が入りそうになった時、「ゴホンゴホン」とせきをして出そうとする反射が低下することです。

 

さらに、次のような病気がある高齢者は、より一層窒息する可能性が高くなる。

  1. 脳卒中、パーキンソン病など、神経の病気がある。
  2. うつ病、統合失調症など、心の病気がある。
  3. 葉を失うなど、口の中にトラブルがある。

呼吸停止から時間と生存率(目安)

呼吸停止後3分程度から死亡する恐れがあり、停止10分で生存率50%、停止15%で生存率10%というデータがある。

異物除去のタイミングと回復率

講師:
私どもの大学で、窒息で救急搬送された患者さんを調べたところ、現場に居合わせた人が速やかに異物を取り除いた場合は7割以上回復しましたが、救急隊員が到着後現場で異物を取り除いた場合は、およそ3割にとどまることがわかりました。
ですので、周囲の人が速やかに対処することが大変重要です。

窒息の対処法

まずは、喉の詰まらせた時のサインに気づくこと。

ほとんどの人は、喉に食べ物を詰まらせた時に、両手で喉をおさえる「チョークサイン」を出す。

ただし、高齢者の場合はチョークサインを出さずに急にうなだれる場合もある。

チョークサイン以外に食べ物による窒息が疑われる場合

  1. 高齢者が食事中に急にうなだれる。
  2. 声を出せない。
  3. 顔色が急に真っ青になる。

 

異物が喉に詰まっていると判断できた場合は、できるだけせきをさせて異物を出す。

それでも、異物が出なかったり、息が「ヒューヒュー」と音がして息が吸いにくい状態となったら、119番通報。

そして、救急隊員が到着するまでに、異物除去をはじめる。

 

異物除去には、以下の2つの方法がある。

  1. おなかを強く押して突き上げる「腹部突き上げ法」
  2. 背中を強くたたく「背部叩打法」

最初に「腹部突き上げ法」を試し、効果がなければ次の「背部叩打法」を試す。

腹部突き上げ法

まず、窒息している人を立たせるか、それが無理だったら座った状態にする。

もし、それも無理だったら、次の「背部叩打法」を試す。

 

「腹部突き上げ法」、「背部叩打法」の実際の方法は、次の動画を参考にしてください。

背部叩打法

呼びかけに反応しなかったり、異物を取り除けなかった場合は、心停止に対する心肺蘇生法を開始します。

また、AEDが近くに備え付けられていたらAEDを使います。

 

心肺蘇生法とAEDの使用方法も動画を参考にしてください。

心肺蘇生法とAEDの使用

この時、心肺蘇生法の途中で、異物が見えた場合は取り除きます。

窒息の予防

のどに詰まりやすい食材

ごはん、おかゆ、おにぎり、もち、さつまいもは粘り気のある食材。

鶏肉、タコ、こんにゃくなどは硬くてかみにくい食材。

その他、パンや野菜、果物なども詰まりやすい食べ物。

のどに詰まりやすい食材は食べる際に工夫する

これらの食材は食べる際に工夫する必要がある。

  1. 硬い生の野菜(人参など)は加熱してやわらくしてから食べるとよい。
  2. 餅や鶏肉など硬い食材は、一口より小さく切る。
  3. パンなど、パサパサしたものは、水分と一緒に食べる。
  4. あめは口に入れた状態で横にならない。

窒息を防ぐポイント

最後に、窒息を防ぐポイントをまとめます。

  1. 食べ物は細かく刻む。
  2. 少量ずつ口に入れる。
  3. ゆっくり、よくかんで食べる。
  4. 水分をとりながら食べる。
  5. 食べながら話さない。

 

高齢の方は食べる時にのどに詰まりやすくなるため、ご家族のかたが注意深く見守ることが重要です。

ちょっとした変化も見逃さないことで、窒息の事故を防ぐことができます。

 

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